書籍をメインツールとして司法試験・予備試験行政法を攻略するためのステップを順次紹介していきます。
適宜講義なども利用されると効果的だと思いますが、「読む」、「書く」という能力が重要な司法試験では、教科書や演習書を有効活用することが重要です。
行政法は、民法や刑法のような決まった法典があるわけではないので、学習しにくいと感じている方が多いようです。
そのため、まずは、全体像を的確に掴む必要があります。全体像をイメージで掴みやすくなるのが、今回紹介する、原田大樹『グラフィック行政法入門』(新世社)です。
グラフィック行政法入門の特徴
グラフィック行政法入門 (グラフィック法学)
https://www.amazon.co.jp/dp/4883842533?ref_=cm_sw_r_em_ud_dp_9HMMT73SEBBHPX02Z64X
イラスト・図解が豊富
見開きで右側が図や資料が掲載されています。
特に、「行政立法」、「行政裁量」の図や表は、ある程度学習が進んだけれども行政法がわからない……という受験生にも一度読んでほしい内容です。
この書籍をうまく活用すれば、基礎知識を丁寧に整理することができます。
解説がわかりやすい
用語解説が丁寧に行われています。行政法を初めて学ぶ人が学びやすいような構成になっているので、最初の1冊として最適だと思います。
また、コラムで痒いところに手が届くようになっています。1冊読み上げた後で、基本行政法(日本評論社)や、サクハシ(櫻井・橋本『行政法』(弘文堂))に移行し、過去問演習を行なっていけば、スムーズな行政法対策ができるでしょう。
※これらの書籍も後日使い方を紹介する予定です。
読む際のコツ
わからない部分があってもどんどん読み進めていきましょう。後で見直したい用語は、その部分に付箋を貼っておいて、後日、丁寧に振り返るようにしてみてください。
ステップ学習の最初の段階なので、立ち止まらずに進むようにして、アウトラインをつかむことを最優先にしてください。
この書籍が合うのはどんな人?
これから行政法を学ぶ人
行政法を学ぶのは、それ以外の六法を学び終わっている方が多いと思います。そういう方であれば、この書籍に掲載されている内容について、十分に理解することができるはずです。
講義を利用しないで学習する方は、図解も豊富なこの1冊で、イメージを作り上げることができるでしょう。
入門講義や基礎講義等を利用している・利用したが行政法がわからない人
講義を活用して学習される方も多いと思いますが、講義を復習していて「わからない……」と悩む前に、この書籍を読み進めていくようにしてみてください。骨格部分がわかるようになり、スムーズな試験対策をすることができるようになります。
他の入門的書籍は?
他にも色々な入門的な教科書はあります。例えば、
行政法入門 第7版
https://www.amazon.co.jp/dp/4641131953?ref_=cm_sw_r_em_ud_dp_DPWWNRFYWA0486PQ239T
判例行政法入門〔第7版〕
https://www.amazon.co.jp/dp/4641228396?ref_=cm_sw_r_em_ud_dp_V1SY4RPD8ABYVMZH5E65
なども挙げられます。
もっとも、今回は、最初の1冊ということで紹介するということでセレクトしましたので、イラストや図が豊富な「グラフィック……」を紹介しました。
あとは好みの問題もあると思いますので、書店等で手に取ってセレクトするようにしてみてください。
【著者紹介】原田大樹(はらだひろき)
※本書籍末尾掲載情報
- 1977年 福岡県生まれ
- 2000年 九州大学法学部卒業
- 2005年 九州大学大学院法学府公法・社会法学専攻博士後期課程修了(博士(法学))
- 同大学院法学研究院講師、同助教授(准教授)、京都大学大学院法学研究科
- 准教授、同教授(2014年より)を経て
- 現在京都大学法学系(大学院法学研究科)教授
- 専攻分野:公法学(行政法学)
京都大学のホームページはこちら
→ https://law.kyoto-u.ac.jp/kyoin/list/harada_hiroki/
主要著書
※本書籍末尾掲載情報
- 『自主規制の公法学的研究』(有斐閣、2007年)
- 『例解 行政法』(東京大学出版会、2013年)
- 「演習 行政法』(東京大学出版会、2014年)
- 「公共制度設計の基礎理論』(弘文堂、2014年)
- 『行政法学と主要参照領域』(東京大学出版会、2015年)
- 「現代実定法入門一一人と法と社会をつなぐ』(弘文堂、2017年)
無料基礎講義、始めました。
毎週月曜18時15分〜、ライブ配信を行なっています。ウェビナーへの登録は、https://lin.ee/1s3GXIOからできます。
コメント